ひなたぼっこ~先生の、隣~【続編】
「ちょ…泰葉!?どうしたの、その顔!!??」
「え…」
次の日、学校に行くと香奈が驚いた顔をして近づいてきた。
「目がパンパンじゃん…昨日、泣いたの?」
心配そうに顔を覗き込んでくる。
「あ…ちょっと…」
本当は、ちょっとなんかじゃない。
次々と溢れでてくる涙を止めることなんか、できなかった。
「高橋と…何かあった?」
ドクン。
先生とー…
¨少し、距離を置こうか¨
「っ…」
¨ただの先生と生徒の関係に戻そう¨
ドクン!
「泰葉…」
昨日、あんなに泣いたのにー…
まだ、涙が溢れ出てくるなんてー…
「こらー、もう本鈴鳴ってるぞ!?」
ドキ!
そう言いながら教室に入ってきたのは、先生。
「…っ」
急いで涙を拭う。
「早く席に着けよー」
制服の袖で拭っても拭っても、涙は止まらない。
教卓の前から聞こえてくる、先生の声。
いつも通りの先生。
私も、いつも通りにしなきゃー…
「!」
「高橋ー!体調悪いんで、2人で保健室行ってくるわ」
香奈が教卓にいる先生に向かって、大きな声で言った。
「は!?…あぁ」
先生の声が、少し状況を察知したのかのようにトーンダウンしたのがわかった。
「じゃ。行こう、泰葉」
拭っていた腕とは反対の腕を香奈に取られ、教室を出た。