ひなたぼっこ~先生の、隣~【続編】
そして、着いた場所は屋上だった。
外は、心地よい風が吹いていた。
「…」
さらに、冷静さを取り戻される。
「!」
腕を持っていた香奈の手が離れ、やっと香奈が振り返ってくれた。
「泰葉!!」
「!」
大きな声で名前を呼ばれたと思ったら、ギュッと抱きしめられた。
「あー!!!危なかった!!!」
「え?」
耳元で溜め息をつきながら、香奈が言った。
「泰葉が泣いてるのって、高橋のせいでしょ?」
ドキン。
「あのまんま私があそこにいたら、高橋を殴ってたかも」
「香奈…」
「でも、殴ったりしたら高橋と泰葉の関係がバレちゃうでしょ?あー!!我慢できてよかった!!!」
関係がバレちゃうも何も…
「香奈…あの…」
抱きしめられている香奈の背をギュッと抱きしめ返しー…
「もう、先生とはー…」
¨ただの先生と生徒に戻ろう¨
「っ…」
また溢れ出そうになる涙を堪えー…
「終わったのー…」
そう小さな声で、やっと言葉にできた。