ひなたぼっこ~先生の、隣~【続編】
「高橋先生、安川から話は聞きました」
「・・・次は、立川か」
泰葉が屋上に行った日の放課後、数学準備室には立川が来ていた。
「散々、安川にボロクソに言われたんだ。今日は勘弁してくれ」
「そういう時だからこそ、効き目があるんじゃないんですか?」
「・・・お前、ドエスだったのか?」
「違います。で、どうして別れたんですか?」
「安川から聞いてるだろ?」
「安川の話からだと、高橋先生の本心が読めないんです。だから、直接聞きにきました」
「あはは。怖いなぁ」
「笑って誤魔化さないでください。さぁ、どうぞ」
「どうぞって・・・」
「"高3になって大事な時期を控えてるから、時間を無駄にしてほしくない?"」
「・・・」
「"俺のために、妹尾が傷つく必要がない"」
「はは・・・なんか、自分で言ったことなのに恥ずかしいな」
「笑わないでください。今、その言葉で傷ついている人がいるんですから」
「!」
「違うか・・・きっと妹尾さんは、自分を責めてる」
「っ・・」
シンっと、準備室が静けさに包まれた。