大切な人
第一章
自分の事
まずは、自分の事でも紹介しましょうか。
私は、阪口 彩佳。
現在中学2年生で普通に地元の中学に通う女の子。
頭が悪ければ、運動もできるわけではない。
ただ、どんな子でも友達になれる性格・・・というのが私の唯一の自慢・・・に、なるのかな?私が小学6年生になるまでは、どこにでもいる、幸せな4人家族だった。
所長を務め、毎日家族のために何百人もの人を働かせる仕事の父。
専業主婦であり、時間が開いたときに内職をする、頑張りやな母。
まだ小さくて、私達のすることはなんでもしたがり、わがままな妹。
そして、そんな家族が大好きだった長女、私。
そんな家族に、不幸が訪れたのはたしか、
私が小学3、4年生くらいの時だっただろうか。
―――――ママが病気になったから、
これから少し病院に入院するからよ。
そう言った父。
――――――――――ままが、病気・・・。