大切な人



それからしばらくして、入院手続きを終えた母は、父の言う通り、入院することになった。
休みの日は、お見舞いに行った。
ママに会える日は、とても嬉しかった。
会いに行ける前の日は、ママにどんな話をしよう!とワクワクして話を考えて眠るのだけれど、ママに会って、顔を見れば、そんな事はもう頭の中から消えていた。


お見舞いに行くと、恐いのが帰らなければいけない時間。


パパが運転する車の後ろに妹と2人、乗る。
送りに来る、母の姿が見えて泣きじゃくる妹。
それをなだめる父に、母から目をそらせない私。
少しでも目を離してしまえば、母は手の届かないところに行ってしまいそうで・・・。
私は小さいながらにして、そんなことを考えていた記憶がある。


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