課長さんはイジワル
第113話 澤村専務
「ああ。榊(さかき)、ご苦労だった」
中央奥のおっきな机に座った専務らしき人物が、顔を上げないまま書類に目を通している。
えっ?
澤村??
うちの会社名「澤村証券」の澤村?!
それに、それだけじゃない。
さわむら……さわむら……
なんか、どっかで聞いたことがある。
どこでだっけ?
さ・わ・む・ら……
さ……わ……
ハテナマークが私の頭の上を、チヨチヨと周遊旅行している時、澤村専務が顔を上げる。
その瞬間、体中に電流が流れたように総毛立つ。
似てる!
奥田課長に……
そっくりというわけではないけど。
なんとなく、体格とか……
ううん。
違う。
目だ!!
あの人の心を奥の奥まで見透かしているかのような……
それでいて、人に警戒心を与えない――――――
澄んだあの穏やかな……「目」。
そうだ!!
そう言えば、課長の名前は、以前、「澤村巧(さわむらこう)」だと営業の林さんが言っていた。
この人も、澤村。
偶然の一致?
それとも……
気付けば、澤村専務は私の目の前のソファに腰を下ろし、じっと私を見ていた。
中央奥のおっきな机に座った専務らしき人物が、顔を上げないまま書類に目を通している。
えっ?
澤村??
うちの会社名「澤村証券」の澤村?!
それに、それだけじゃない。
さわむら……さわむら……
なんか、どっかで聞いたことがある。
どこでだっけ?
さ・わ・む・ら……
さ……わ……
ハテナマークが私の頭の上を、チヨチヨと周遊旅行している時、澤村専務が顔を上げる。
その瞬間、体中に電流が流れたように総毛立つ。
似てる!
奥田課長に……
そっくりというわけではないけど。
なんとなく、体格とか……
ううん。
違う。
目だ!!
あの人の心を奥の奥まで見透かしているかのような……
それでいて、人に警戒心を与えない――――――
澄んだあの穏やかな……「目」。
そうだ!!
そう言えば、課長の名前は、以前、「澤村巧(さわむらこう)」だと営業の林さんが言っていた。
この人も、澤村。
偶然の一致?
それとも……
気付けば、澤村専務は私の目の前のソファに腰を下ろし、じっと私を見ていた。