課長さんはイジワル
第116話 NYに来ちゃったぜ
そして、2週間後――――
抵抗虚しく、ついに来てしまった。
ニューヨーク。
天高くそびえるスカイスクレイパー。
スクランブルを行き交う人人人。
圧倒されつつも、出るのは溜息ばかり。
「はぁ、ホント、ついとらんばい」
この2週間。
人事部長に掛け合って、何とかこの人事を無しにして下さい!と直談判したけど、
「これは専務の直轄人事だからねぇ。私の力では……いやはや……ゴホゴホッ」
なんて、弱気な人事部長は直後に入院。
実家の両親に相談した日にゃ……
「なんばいいよっとね!由紀!!大出世たい!!」
村を挙げての壮行会まで開かれる始末。
引き継ぎされた山田先輩には「何で行くのが俺じゃねぇンだよ!!」と八つ当たりされまくり。
そして、最後の頼みの綱、生まれて初めて乗った飛行機は無情にも墜落することなく、無事到着してしまう(いや、落ちたらそれはそれでヤなんだけど……)。
「杉原君!こっちこっち!」
到着早々、名前を呼ばれてキョロキョロと辺りを見回す。
お?!
おおっ!!
第一ムラビト発見!
「佐久間主任!」
手を振る佐久間主任の姿、発見!
慌てて手を振り返す。
知らないところで知った人に合うと、なんだかほっとする。
「わざわざ、お迎えに来て頂いてすみません」
「いいさ。しかし、オンタイムの到着だったな。さすが日本の航空会社」
佐久間主任が「荷物はこれで全部?」と言いながら、私の荷物をカートに乗せ始めた。
「奥田さんは今日、重要な会議があって……」
佐久間主任の言葉に重要なことを思い出す。
そうだった。
まず、佐久間主任のこの誤解を解いとかなきゃだよ。
「あの……。私、もう奥田課長とは別れましたから」
「えっっ!?ええ???」
佐久間主任は持ち上げたスーツケースを自分の足の上にゴトリと落としてしまっていた。
抵抗虚しく、ついに来てしまった。
ニューヨーク。
天高くそびえるスカイスクレイパー。
スクランブルを行き交う人人人。
圧倒されつつも、出るのは溜息ばかり。
「はぁ、ホント、ついとらんばい」
この2週間。
人事部長に掛け合って、何とかこの人事を無しにして下さい!と直談判したけど、
「これは専務の直轄人事だからねぇ。私の力では……いやはや……ゴホゴホッ」
なんて、弱気な人事部長は直後に入院。
実家の両親に相談した日にゃ……
「なんばいいよっとね!由紀!!大出世たい!!」
村を挙げての壮行会まで開かれる始末。
引き継ぎされた山田先輩には「何で行くのが俺じゃねぇンだよ!!」と八つ当たりされまくり。
そして、最後の頼みの綱、生まれて初めて乗った飛行機は無情にも墜落することなく、無事到着してしまう(いや、落ちたらそれはそれでヤなんだけど……)。
「杉原君!こっちこっち!」
到着早々、名前を呼ばれてキョロキョロと辺りを見回す。
お?!
おおっ!!
第一ムラビト発見!
「佐久間主任!」
手を振る佐久間主任の姿、発見!
慌てて手を振り返す。
知らないところで知った人に合うと、なんだかほっとする。
「わざわざ、お迎えに来て頂いてすみません」
「いいさ。しかし、オンタイムの到着だったな。さすが日本の航空会社」
佐久間主任が「荷物はこれで全部?」と言いながら、私の荷物をカートに乗せ始めた。
「奥田さんは今日、重要な会議があって……」
佐久間主任の言葉に重要なことを思い出す。
そうだった。
まず、佐久間主任のこの誤解を解いとかなきゃだよ。
「あの……。私、もう奥田課長とは別れましたから」
「えっっ!?ええ???」
佐久間主任は持ち上げたスーツケースを自分の足の上にゴトリと落としてしまっていた。