課長さんはイジワル
第141話 ご対面!
「榊室長!やめてください!下ろして!下ろしてください!!」
肩に担がれながらも、彼の背中をポカスカたたく。
「静かに!人に聞かれる!」
榊室長のボケラッチョ!
人に聞かれるように叫んでるんでしょーーーが!!
奥まった部屋に入るなり、私を肩からすばやく下ろすと、榊室長は私の口をふさぎ、壁に押さえつける。
「いいですか?私が手を話しても大きな声を出さないで頂きたい。
もし、大きな声を挙げたら……」
榊室長の目がキラーンと鋭く光り、恐ろしさに思いっきりウンウンと首を立てに振る。
「約束ですよ」
ごくっと唾を飲み下し、真剣な眼差しで最後にもう一度ウンと首を立てに振る。
そこでようやく榊室長の手から解放される。
榊室長も私が逃げないと悟ったのか、ほっとしたようで私に背を向けて、部屋の反対側へと歩いて何かを手にして戻ってくる。
「とにかく今はこれに着替えてください。話は着替えながらでも。私はこちらで背を向けていますから、ご安心を」
着替える?
これ、私が車で運び込んできた課長からもらったドレスだ。
私は部屋をキョロキョロ見回し、「あの……隣の部屋とか、バスルームで着替えてもいいですか?」とおずおずと尋ねる。
「さっきのように逃げられたら、たまりませんから。ここで」
榊室長の強い言葉に、こりゃ無理だべさと観念し、箱を受け取る。
すると、榊室長はクルリと背を向け、さっきの言葉通り目の前の椅子に腰を下ろす。
マジで?
き、着替える??
ここで?
信用しても……いい?
ええええええーーーーい!
迷っている場合じゃない。
とにかく着替えろって言うんだから、とっとと着替える!
ブラウスを脱ぎ、急いでドレスを箱から出す。
ぎょっ。
このドレス、もしや、ブラ…は紐が……出る感じな気がする。
取るの?ブラ……
「杉浦さん」
「ひっ、ひゃいっ!!」
驚いた勢いで、へんてこな返事をした上、まごついていたブラが外れてしまう。
いかん。
回収、回収。
かがんでブラを取ろうとしていると、榊室長が思いがけない人の名を告げる。
「奥田取締役は、広間にいらっしゃいます。着替えが終わられましたら……」
えっ?
奥田課長??
なんで奥田課長の名前がここで出るの?
ブラを掴んだその瞬間、部屋の扉が勢い良く開く。
「奥田取締役!」
「課長!!」
榊室長と私は、ものすごい形相の課長の顔に凍りつく。
肩に担がれながらも、彼の背中をポカスカたたく。
「静かに!人に聞かれる!」
榊室長のボケラッチョ!
人に聞かれるように叫んでるんでしょーーーが!!
奥まった部屋に入るなり、私を肩からすばやく下ろすと、榊室長は私の口をふさぎ、壁に押さえつける。
「いいですか?私が手を話しても大きな声を出さないで頂きたい。
もし、大きな声を挙げたら……」
榊室長の目がキラーンと鋭く光り、恐ろしさに思いっきりウンウンと首を立てに振る。
「約束ですよ」
ごくっと唾を飲み下し、真剣な眼差しで最後にもう一度ウンと首を立てに振る。
そこでようやく榊室長の手から解放される。
榊室長も私が逃げないと悟ったのか、ほっとしたようで私に背を向けて、部屋の反対側へと歩いて何かを手にして戻ってくる。
「とにかく今はこれに着替えてください。話は着替えながらでも。私はこちらで背を向けていますから、ご安心を」
着替える?
これ、私が車で運び込んできた課長からもらったドレスだ。
私は部屋をキョロキョロ見回し、「あの……隣の部屋とか、バスルームで着替えてもいいですか?」とおずおずと尋ねる。
「さっきのように逃げられたら、たまりませんから。ここで」
榊室長の強い言葉に、こりゃ無理だべさと観念し、箱を受け取る。
すると、榊室長はクルリと背を向け、さっきの言葉通り目の前の椅子に腰を下ろす。
マジで?
き、着替える??
ここで?
信用しても……いい?
ええええええーーーーい!
迷っている場合じゃない。
とにかく着替えろって言うんだから、とっとと着替える!
ブラウスを脱ぎ、急いでドレスを箱から出す。
ぎょっ。
このドレス、もしや、ブラ…は紐が……出る感じな気がする。
取るの?ブラ……
「杉浦さん」
「ひっ、ひゃいっ!!」
驚いた勢いで、へんてこな返事をした上、まごついていたブラが外れてしまう。
いかん。
回収、回収。
かがんでブラを取ろうとしていると、榊室長が思いがけない人の名を告げる。
「奥田取締役は、広間にいらっしゃいます。着替えが終わられましたら……」
えっ?
奥田課長??
なんで奥田課長の名前がここで出るの?
ブラを掴んだその瞬間、部屋の扉が勢い良く開く。
「奥田取締役!」
「課長!!」
榊室長と私は、ものすごい形相の課長の顔に凍りつく。