課長さんはイジワル
第192話 キスに溺れて
「どこがおかしい?」
「だって……」
涙を拭き拭き、それでも笑ってしまう。
課長の気持ちがすごく嬉しい。
でも、数秒後、笑いが引いて、血の気が引く。
降りてる!
降り始めちゃってるよ、このゴンドラ!
私は、課長を突き飛ばすと、窓にへばりついてガックシうなだれる。
終わっちゃった。
天辺キスタイム。
キスすらできなかったじゃないですか……。
ズーンと落ち込んだまま、ゴンドラは地上へと到着。
「本日は、ご利用ありがとうございましたぁ」
にこやかに扉を開ける係員の声に促されて、ゴンドラを降りようとしたとき、課長が私の手をグンと後ろに引っ張る。
「すまないが、もう1周だ」
課長は係員にワンデーナイトパスを見せると、扉を閉める。
「かちょ……」
問う間も与えられずに、課長の唇に塞がれ、抱きすくめられる。
ああ。
課長の唇。
課長の頬。
課長の胸。
全部、全部、大好き。
甘くついばむようなキス。
それから、息もつけなくなるほどの長いキス。
ゆっくりと回る観覧車に揺られながら、私は解けるようなキスに溺れていく……。
「だって……」
涙を拭き拭き、それでも笑ってしまう。
課長の気持ちがすごく嬉しい。
でも、数秒後、笑いが引いて、血の気が引く。
降りてる!
降り始めちゃってるよ、このゴンドラ!
私は、課長を突き飛ばすと、窓にへばりついてガックシうなだれる。
終わっちゃった。
天辺キスタイム。
キスすらできなかったじゃないですか……。
ズーンと落ち込んだまま、ゴンドラは地上へと到着。
「本日は、ご利用ありがとうございましたぁ」
にこやかに扉を開ける係員の声に促されて、ゴンドラを降りようとしたとき、課長が私の手をグンと後ろに引っ張る。
「すまないが、もう1周だ」
課長は係員にワンデーナイトパスを見せると、扉を閉める。
「かちょ……」
問う間も与えられずに、課長の唇に塞がれ、抱きすくめられる。
ああ。
課長の唇。
課長の頬。
課長の胸。
全部、全部、大好き。
甘くついばむようなキス。
それから、息もつけなくなるほどの長いキス。
ゆっくりと回る観覧車に揺られながら、私は解けるようなキスに溺れていく……。