課長さんはイジワル
第205話 映画と違う?
課長に導かれるままに、体を預ける。

課長が私を求めて、愛撫を繰り返す。

私の吐息が、課長の私を求める音が、甘く部屋中に響く。

恥ずかしさと不安で、両手で顔を覆い、時折、力をこめた足が痙攣してしまいそうになる。

「課長……キス……」

キスして欲しくて哀願する。

ようやく見ることが出来た課長の顔にホッとして抱きしめる。

貪るようなキスを交わした後、課長が「由紀……」と小さく囁き、もう一度、そっとキスをしてくれる。

ホッとする。

ぐったりとしながらも、課長のキスになんとか応える。

いつになったら、終わるんだろう……。

映画だと1、2分くらいのような気がしたけど、それよりもすごく長いような気がするのは気のせい??

それに、こんなことまでするものなの?

混乱と恥ずかしさで、まともに課長の顔が見れなくなる。

課長は微笑むと上体を起こし、私の膝を立てると膝頭にキスをする。

「か……」

囁き返す間もなく、痛みが体を貫く。

痛い!

痛すぎる!!

こんなに痛いなんて。

息が乱れ、どうやって呼吸したらいいのかも分からなくなる。

必死で課長にしがみつく。

混乱と甘い痛みの中、なんとか意識を保つ。

課長が「由紀、大丈夫か?」とキスを落とす。

大丈夫じゃない!

無理!

無理無理無理無理!!!

課長!!

今まで教わったことの中で、こ、これがっ、一番、無理っぽいです!!

だけど、意に反して、コクンとうなずいてしまう。

課長は優しく微笑んで、さらに私を追い求めてくる。

それは、全く経験したことのない痛みで……。

これは、死んじゃうかもしれない。

気絶寸前になりながらも、痛みごと必死に課長を抱きしめる。






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