課長さんはイジワル
第212話 預けられた心
NYに戻る飛行機の中でも、鍵を見つめながらポーっとして、ニヘニヘしてしまう。
そこら辺に転がってるただの鍵じゃない!
これは、課長のお鍵様だと思うと、すごく嬉しい。
NYに降り立つと、佐久間主任が、運転手さん付きの車を用意してくれていた。
「大変だったね。でも、お姉さんが無事で良かった」
「はい、お蔭様で。いろいろとご迷惑をお掛けしてすみませんでした」
深々~とお辞儀をして、顔を上げると佐久間主任がじっと見ている。
「……何か?」
「あ、いや。なんだか、ちょっと見ないうちに雰囲気が変わった感じがして」
雰囲気が変わった?
ん?
どこがじゃ?
服は、前からのだし(ファイナルバーゲン50%OFF)……。
靴も、前からのだし(見切り品3000円均一)……。
口紅も、お化粧だって(以下、同文)……。
以前と変わりませんが。
私と目が合うと、さり気なく佐久間主任が目をそらし、でも、ちらっと私を見る。
「なんか、以前より色っぽい感じが……」
い、色っぽい?!
私が??
あっ!
顔から火が出そうになる。
だとしたら、それは絶対課長のせいだ。
あれからもずっと体中がほてっている感じがするし……。
課長の腕の中で、課長のことがもっともっと好きになった。
そして、あの日分かった。
課長は今まで、私に色々なことを教えてくれたけど……。
今度は、それだけじゃなくて、課長は私に全てを預けてくれたんだ。
愛してもいいんだって。
もっと、もっと課長のこと、好きになってもいいんだって。
「なんかあった?東京で」
佐久間主任の鋭い眼鏡の奥がキランと光る。
そこら辺に転がってるただの鍵じゃない!
これは、課長のお鍵様だと思うと、すごく嬉しい。
NYに降り立つと、佐久間主任が、運転手さん付きの車を用意してくれていた。
「大変だったね。でも、お姉さんが無事で良かった」
「はい、お蔭様で。いろいろとご迷惑をお掛けしてすみませんでした」
深々~とお辞儀をして、顔を上げると佐久間主任がじっと見ている。
「……何か?」
「あ、いや。なんだか、ちょっと見ないうちに雰囲気が変わった感じがして」
雰囲気が変わった?
ん?
どこがじゃ?
服は、前からのだし(ファイナルバーゲン50%OFF)……。
靴も、前からのだし(見切り品3000円均一)……。
口紅も、お化粧だって(以下、同文)……。
以前と変わりませんが。
私と目が合うと、さり気なく佐久間主任が目をそらし、でも、ちらっと私を見る。
「なんか、以前より色っぽい感じが……」
い、色っぽい?!
私が??
あっ!
顔から火が出そうになる。
だとしたら、それは絶対課長のせいだ。
あれからもずっと体中がほてっている感じがするし……。
課長の腕の中で、課長のことがもっともっと好きになった。
そして、あの日分かった。
課長は今まで、私に色々なことを教えてくれたけど……。
今度は、それだけじゃなくて、課長は私に全てを預けてくれたんだ。
愛してもいいんだって。
もっと、もっと課長のこと、好きになってもいいんだって。
「なんかあった?東京で」
佐久間主任の鋭い眼鏡の奥がキランと光る。