課長さんはイジワル
第215話 課長のマンション
その日から、怒涛の日々が始まる。
ネコの手として、再び、KY横田がプロジェクトチームに引き入れられる。
「この契約書、リーガルオピニオンとっといて!」
「あ、それはバツです!(証券用語でOK。YES。了解の意味)」
「JSDA(日本証券業協会)の説明に参加する日本側スタッフの手配は?」
「来週中には手配します」
課長不在のNY支社では、佐久間主任が今回のプロジェクトをマネジメントしている。
と言っても、もう課長は実質、バンカメの人間だから、実権はほとんど佐久間主任が握っていると言ってもいいかも。
私はと言うと、証取法を片手に社内を右に左に走り回ってる。
でも、ついに今日、課長と会える。
課長がASEANそして、EU諸国を回って、久し振りに帰ってくる。
ここのところ忙しくて、NYのスタッフはほぼ全員が会社で寝泊りしていたけど、今日だけは少しおしゃれして、早めに会社を出て、夕飯の買い出しに走る。
そして、買い物袋を引っさげて、課長のマンションのドアの前で、ゴクンと息を飲む。
ついに来ました。
このスペアキー様を使う日が……。
息を吸い込むと、スペアキーを持ち、扉の前に立つ。
鍵穴に差さなくても、それだけでセンサーが反応して鍵が開く。
すごいぞぉ~。
さすがペントハウス。
『好きなときに、いつでも』
なんて、渡された鍵だけど、本当に使っても大丈夫?
「どうか、課長につまみ出されませんように……」
胸の前でクロスを切って手を合わせると、ソロ~リと玄関の扉を開ける。
ネコの手として、再び、KY横田がプロジェクトチームに引き入れられる。
「この契約書、リーガルオピニオンとっといて!」
「あ、それはバツです!(証券用語でOK。YES。了解の意味)」
「JSDA(日本証券業協会)の説明に参加する日本側スタッフの手配は?」
「来週中には手配します」
課長不在のNY支社では、佐久間主任が今回のプロジェクトをマネジメントしている。
と言っても、もう課長は実質、バンカメの人間だから、実権はほとんど佐久間主任が握っていると言ってもいいかも。
私はと言うと、証取法を片手に社内を右に左に走り回ってる。
でも、ついに今日、課長と会える。
課長がASEANそして、EU諸国を回って、久し振りに帰ってくる。
ここのところ忙しくて、NYのスタッフはほぼ全員が会社で寝泊りしていたけど、今日だけは少しおしゃれして、早めに会社を出て、夕飯の買い出しに走る。
そして、買い物袋を引っさげて、課長のマンションのドアの前で、ゴクンと息を飲む。
ついに来ました。
このスペアキー様を使う日が……。
息を吸い込むと、スペアキーを持ち、扉の前に立つ。
鍵穴に差さなくても、それだけでセンサーが反応して鍵が開く。
すごいぞぉ~。
さすがペントハウス。
『好きなときに、いつでも』
なんて、渡された鍵だけど、本当に使っても大丈夫?
「どうか、課長につまみ出されませんように……」
胸の前でクロスを切って手を合わせると、ソロ~リと玄関の扉を開ける。