課長さんはイジワル
第259話 朧月夜に……
そして、勇気を出してお風呂に入って数分後。
課長はどうしているかと言うと……
メチャ機嫌が悪い。
「……で?どうしてお前はそんな隅に、俺に背を向けて入ってるんだ?」
「そっ、それはですね。ここが私的にベストポジショニングなわけでして……」
「ほぉ~……」
課長の目が、冷ややか~にお皿のように細くなる。
パシャンと言うお風呂の小さな水の音にもびくっとする。
「……明日は、雨だな」
課長が突然ボソリと言う。
「えっ?!分かるんですか?」
「雨の前日は傷が疼く」
「へぇ~。便利ですね」
そぉっと振り向くと、課長の優しい微笑みに、ドキンとしてしまう。
「上を見てみろ。朧月夜だ」
課長の指す指の先には小さな窓があって、そこに丸いお月様がぽっかりと浮かんでいる。
「きれい……」
油断した隙に課長はさっと私の脇の下に腕を通し、自分の前に挟み込むように私を座らせてしまう。
「か、か、課長!!」
む、胸が……胸が……課長の腕に……。
そ、それに……!!!課長、密着しすぎで~~!!!
動揺激しい私は一気に茹でダコになってしまう。
「俺はとても卑怯だったんだ……」
はいっ!
いきなりこんな技を仕掛けてくるなんて、とっても卑怯だと思います。
バクバク破裂しそうな心臓が、今にも喉から飛び出て来そうになる。
「おふくろと親父は、俺が物心ついた頃から上手く言っていなかったように思う」
え?
……課長?
振り返って見た課長の目が、遠い朧月夜に吸い込まれそうで、少し怖くなる。
課長はどうしているかと言うと……
メチャ機嫌が悪い。
「……で?どうしてお前はそんな隅に、俺に背を向けて入ってるんだ?」
「そっ、それはですね。ここが私的にベストポジショニングなわけでして……」
「ほぉ~……」
課長の目が、冷ややか~にお皿のように細くなる。
パシャンと言うお風呂の小さな水の音にもびくっとする。
「……明日は、雨だな」
課長が突然ボソリと言う。
「えっ?!分かるんですか?」
「雨の前日は傷が疼く」
「へぇ~。便利ですね」
そぉっと振り向くと、課長の優しい微笑みに、ドキンとしてしまう。
「上を見てみろ。朧月夜だ」
課長の指す指の先には小さな窓があって、そこに丸いお月様がぽっかりと浮かんでいる。
「きれい……」
油断した隙に課長はさっと私の脇の下に腕を通し、自分の前に挟み込むように私を座らせてしまう。
「か、か、課長!!」
む、胸が……胸が……課長の腕に……。
そ、それに……!!!課長、密着しすぎで~~!!!
動揺激しい私は一気に茹でダコになってしまう。
「俺はとても卑怯だったんだ……」
はいっ!
いきなりこんな技を仕掛けてくるなんて、とっても卑怯だと思います。
バクバク破裂しそうな心臓が、今にも喉から飛び出て来そうになる。
「おふくろと親父は、俺が物心ついた頃から上手く言っていなかったように思う」
え?
……課長?
振り返って見た課長の目が、遠い朧月夜に吸い込まれそうで、少し怖くなる。