赤ちゃんうさぎのお世話~番外編2更新しました★~
「来栖(クルス)くん……。ここに通ってたんだ……。」
名前を聞けばはっきりと思い出してくる。
あまり接点のなかった雪兎と彼だったけれど……、この来栖と言う男は、時春に怖じ気づかないでそれなりに付き合える貴重な存在の一人だった。
「そう。藤間から聞いてない?………あ~…言わないかぁ、あの男は…」
悪びれる訳でもなくそう笑って雪兎に抱かれた白羽に視線を移した。
「うぅ~……。」
白羽も雪兎同様かなり人見知りが激しいのでひとつ唸ると雪兎の胸に顔を埋めて隠れてしまった。
「うわ~…!マジで子うさぎちゃんいたんだ~…?またうさちゃんにそっくり………。あーでも、その印象的な黒い瞳は藤間と同じ色だなぁ~…」
感動でもしたかのようにそう言って面白そうに白羽を見ていた。
すると、そんな光景を見ていた大学生達がだんだんと周りに集まってくる……。
「来栖の彼女なわけ……っ!?超可愛すぎねぇ!?」
「紹介しろーーっ!!」
「………!?」
「………いや…、君ら冗談でもそんな恐ろしいこと言わないでくれる~~…?」
来栖は心底迷惑そうな顔をしてざわめく学生達を振り返った。