箱庭荘の王子サマ




それから
私達は言葉を交わさずに家に帰り

言葉を交わさずに眠りにつき


そして次の日の朝
言葉を交わすことなく
彼は部屋を出ていった。




急に広くなった部屋に一人。



私は何をするでもなく
ただソファーに腰掛ける。



出てくるのはため息ばかり。

不思議と、涙は出なかった。



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