箱庭荘の王子サマ
◇さぁお引っ越し!
それから数週間後の日曜日。
いよいよ今日は引っ越しの日。
既に荷造りが済んで
がらんとした部屋を見渡す。
これで、アイツとの思い出も
綺麗さっぱりなくなるのか…
やっぱり八年間も付き合っていただけあって
少し、寂しい。
「…って、ダメダメ。
吹っ切る為に引っ越すのに
感慨に浸ってちゃ意味ないじゃん」
私は残ったボストンバックを肩に掛けて
部屋を後にした。