プリズム ‐そしてドラム缶の中で考えたこと-
「何てことするんだ!」
思いつくまま怒鳴った。
怒鳴られても香山さんは相変わらず冷静に、僕のスポーツバックを肩に抱えた。
そして「この中に入れてあるあんたのCD、中古屋で売ってくるわね。親の了承印は私が自宅から取ってくる」と言って部屋か出て行こうとした。
目には涙が浮かんでいる。
僕は彼女を引き止めて、その涙の訳を聞こうとすると、彼女は「本当に一人なのねぇ」と言った。
意味が分らない。
僕が「お金なら親戚にでも借りるから」、そう言うと香山さんはもう一度同じ言葉を繰り返した。
僕が「君が本当の孤独なんて有り得ないって言ったんじゃないか」と咎めると、彼女は「そうよ」と返した。
そして「頑張って売ってくるから、食べ物を持ってきてね」そう言って玄関に向かって靴を履いた。
「どうしてこんなことしたんだ」
僕の問いに香山さんは答えなかった。
「頑張ろうね」涙混じりに、そう言うと出て行った。
僕は部屋から空を眺めた。
何かが起こると空を眺めるのは幼い頃からの癖だ。
ありきたりかも知れないが、特に星を見るのが好きだった。
実体は確かにあるはずなのに絶対掴めない。
そして絶対に辿り着けない訳ではない。
遥か虚空に自らを輝かせ、いつ果てるともなく輝き続ける。
そんな星に憧れてるのだ。
それはまるで宮沢賢治の『アメニモマケズ、カゼニモマケズ』に出てくる木偶の坊の様だ。
人間の知りたいと言う欲望に左右されず、それを遠目で見詰め、そしてただ笑っている。
ただそれだけの存在。
自らは何も求めない。
そんな『星』の様に僕はなりたいのだ。
『無理だと知りながら・・・』
思いつくまま怒鳴った。
怒鳴られても香山さんは相変わらず冷静に、僕のスポーツバックを肩に抱えた。
そして「この中に入れてあるあんたのCD、中古屋で売ってくるわね。親の了承印は私が自宅から取ってくる」と言って部屋か出て行こうとした。
目には涙が浮かんでいる。
僕は彼女を引き止めて、その涙の訳を聞こうとすると、彼女は「本当に一人なのねぇ」と言った。
意味が分らない。
僕が「お金なら親戚にでも借りるから」、そう言うと香山さんはもう一度同じ言葉を繰り返した。
僕が「君が本当の孤独なんて有り得ないって言ったんじゃないか」と咎めると、彼女は「そうよ」と返した。
そして「頑張って売ってくるから、食べ物を持ってきてね」そう言って玄関に向かって靴を履いた。
「どうしてこんなことしたんだ」
僕の問いに香山さんは答えなかった。
「頑張ろうね」涙混じりに、そう言うと出て行った。
僕は部屋から空を眺めた。
何かが起こると空を眺めるのは幼い頃からの癖だ。
ありきたりかも知れないが、特に星を見るのが好きだった。
実体は確かにあるはずなのに絶対掴めない。
そして絶対に辿り着けない訳ではない。
遥か虚空に自らを輝かせ、いつ果てるともなく輝き続ける。
そんな星に憧れてるのだ。
それはまるで宮沢賢治の『アメニモマケズ、カゼニモマケズ』に出てくる木偶の坊の様だ。
人間の知りたいと言う欲望に左右されず、それを遠目で見詰め、そしてただ笑っている。
ただそれだけの存在。
自らは何も求めない。
そんな『星』の様に僕はなりたいのだ。
『無理だと知りながら・・・』