ブラックパール
終業の鐘が鳴る。シンシアがテキストを閉じたところで、コウは大きく伸びをする。
「じゃ、また明日ね。」
「はい、ありがとうございました。」
シンシアは資料とテキストを丁寧にまとめ、食堂へ向かうらしい。と、シンシアが椅子から腰を上げた時に教室(といっても自習用の小部屋なのだが)の扉が微かに開いた。
藍色のはっきりとした瞳がこちらの様子を伺うように部屋を覗いたのを見て、シンシアはくすりと笑う。
「ラーク。もう授業は終わったから入っておいで」
「…へへ、すみません。」
照れ隠しに笑って扉から顔をのぞかせた少年は、コウの学友のラークだ。
「じゃ、僕はこれで退散するよ。」
シンシアのためにラークが扉を引いたので、「ありがとう」と声をかけて、シンシアは部屋を出た。コウはラークに椅子を引く。
「今日もここで食べるの?」
ランチボックスを手にしたラークを見てそう言ったのだが、ラークは首を横に振る。
「天気もいいし、今日はガーデンで食べようぜ。いいとこ見つけたんだ。」
目を輝かせるラークに、コウの頬も緩む。午後の時間も多分この部屋を使うはずなので、コウは自身の荷物を鞄にまとめ、椅子に置いておくことにした。
「じゃ、また明日ね。」
「はい、ありがとうございました。」
シンシアは資料とテキストを丁寧にまとめ、食堂へ向かうらしい。と、シンシアが椅子から腰を上げた時に教室(といっても自習用の小部屋なのだが)の扉が微かに開いた。
藍色のはっきりとした瞳がこちらの様子を伺うように部屋を覗いたのを見て、シンシアはくすりと笑う。
「ラーク。もう授業は終わったから入っておいで」
「…へへ、すみません。」
照れ隠しに笑って扉から顔をのぞかせた少年は、コウの学友のラークだ。
「じゃ、僕はこれで退散するよ。」
シンシアのためにラークが扉を引いたので、「ありがとう」と声をかけて、シンシアは部屋を出た。コウはラークに椅子を引く。
「今日もここで食べるの?」
ランチボックスを手にしたラークを見てそう言ったのだが、ラークは首を横に振る。
「天気もいいし、今日はガーデンで食べようぜ。いいとこ見つけたんだ。」
目を輝かせるラークに、コウの頬も緩む。午後の時間も多分この部屋を使うはずなので、コウは自身の荷物を鞄にまとめ、椅子に置いておくことにした。