落としもの
「あ、瑠衣・・・。先輩に言っちゃえば?」
夕実ちゃんはそう言って私に会釈して教室をでていった。
「あいつ、余計なお世話だっつの・・・」
瑠衣は顔を赤く染め、つぶやいた。
そんな姿を見ても胸の痛みは増すばかりだった。
「・・・あ、先輩の用件って・・・?」
「え・・・っ、と・・・」
2人が話しているのを見た後に、告白なんて・・・。
目頭のあたりがカァッ、となって涙が溢れ出てきた。
「っえ、先輩?!」
瑠衣は急なことに驚き焦っていた。
でも私は涙を止めることができず、ただ涙を流すだけだった。