落としもの
「夕実とは、双子・・・なんです」
「・・・え、双子?」
だから、家の鍵・・・。
私はかなり勘違いをしていたようだ。
そう考えると、顔が暑くなって、また泣いてしまった。
「よ、よかったぁ・・・」
「・・・先輩・・・?」
瑠衣は驚いた顔で、私を抱き締めていた腕を下ろした。
「・・・よかった、ってどういう意味ですか?」
瑠衣は真剣な表情で問いかけてきた。
私は本心を隠せず、顔を赤くしてただ黙っているだけだった。