落としもの
「・・・私も、好きっ」
沈黙が流れる。
瑠衣はあいた口が塞がらない、といった感じでぽかーんとしていた。
「え、え、まじですか?」
うん、と頷くと、瑠衣は一筋の涙を流した。
「・・・え、瑠衣・・・?」
「俺、フラれんのかと、思ってた・・・っ」
瑠衣は流した涙を拭い、私を抱き締めた。
「よかった、よかったあ・・・。先輩、大好きです・・・っ」
「・・・うん、私も、大好きだよ」
私たちは、秒針だけが聞こえる中
どちらともなくキスを交わした。