落としもの
笑顔
「そろそろ教室戻って平気かな・・・」
私は営業スマイルを振りまきながら人ごみを避け、教室へ戻っていった。
「あ、柚希!指名入ってるよ!早く接客行ってー!」
「え、接客?」
「ほら、早くー!」
楓に急かされながら指名された席に向かった。
「マニュアル通りに話すんだよ?わかった?」
「う、うん」
楓、顔が怖いよ・・・。
と思いながらも暗記したマニュアルを思い出していた。
「ご指名ありがとうございます。柚木です」
ニコッ、と営業スマイルを向けながら頭を軽く下げた。