落としもの

SIDE和也

俺は教室で柚希と別れた後、
一人で壁に寄り掛かりながら、声を押し殺して泣いた。


(やっぱ、初恋って実らないもんなんだな・・・)


俺が告白して柚希と付き合えるようになってから、


俺は浮かれて、一人で幸せになってたんだ。
柚希も浮かれて俺と付き合ってたんだろうけど・・・。




でも俺は、付き合ったことも別れたことも何一つ後悔していない。


・・・柚希といれただけで幸せだから。
いや、幸せだったから・・・。

これからは、親友として支え合って生きていくんだ。


俺は心にそう決心した。





(・・・さよなら、俺の初恋・・・)


柚希といた時間は決して無駄じゃない。
明日へ進むための、一筋の光になってくれるんだ――・・・
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