落としもの
胸の痛み
私は午後の授業でも、夕実ちゃんと瑠衣のことが気になって仕方なかった。
けれど、瑠衣の彼女でもないのに聞ける立場でもないから・・・。
どうすることもできなかった。
そんな状態のまま、放課後となった。
「・・・・・・はぁ」
「柚希どうしたのー?幸せ逃げちゃうぞー」
楓は私の頬をぷに、と小突いた。
はぁ、今日で溜息をつくのは何回目だろう。
瑠衣たちの関係が気になってしかたない。
「・・・あ、神矢くん絡み?」
勘付いた様でニヤニヤしながら私の肩をつついた。
それと同時に、私の視界には仲良さげに話している2人の姿が映った。