翡翠の姫君、琥珀の王子
「あの方の待つ泉に行きたい

行って、胸に飛び込みたい

あの僅かな逢瀬で私は…」

溜息を小さく零した

「「姫様失礼します」」

ドアをノックしたのはリンとトモ
の二人が部屋に入って来て

「姫様、悩みが出来ましたね」

リンがさらっとニヤけながら言い

「姫様、お相手はどなたですか」

トモが不安気に聞き

「私は、姫様が笑えるなら…」

切なそうに言う

「ありがとう、二人とも

昨日新しい悩みができたの
今までの苦しみと絶望しかない、
そんな悩みじゃなく、

不安と同時に嬉しさもあるの」

思い出し自然っ微笑んでしまった

でも、現実では叶わないはずで…

「でも、この思いは叶わないわ、

だって、私はこの国の姫

あの方が高貴な身分でも…私は」

悲しく思うが、私はただの姫では
無く、この国の第一皇位継承者

サーシャ・クエイ・ラエスリエール・ホォン・ローゼン

翡翠を守る癒しの女神

サクラとは名前を隠し力を使う為
そのためにある名前だが、
桜と云う木があるらしい
この国には無い種類

「争いが無ければ桜をみれたのか
しらね」

咲く姿は可憐だが、散る姿も美し
いらしい、名前しか知らない花

私と同じ名の花
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