初恋な彼女。




扉を閉めて、ふと目をやると

机の上には手紙の山。

ほとんど、表紙に

『桐香へ』

と、愛情たっぷりに

書かれている。


嘘くさい友情…

裏切ったくせに…


「いらない。こんなの」

自分に言い聞かせるようにして

あたしは手紙をカッターで

切り刻んだ。


躊躇なく窓を開けて。

風に紙クズを置いた。





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