華麗に舞う龍の如く

「奏、言ってる事が矛盾してるよ?」


想叶があたしの思ってた事を口にした。


「あ?」


「さっき俺に“無理して聞くな”とか言ってたくせに今、さりげなく聞いてんじゃん」


「そ、そうだよ…!」


想叶のもっともな意見にあたしも思わず声をあげた。


「別に良いだろ」


…奏は自分の失敗を受け入れないタイプだ…。


どんなに間違った事言ってもそれを真実だと言い通すタイプだ…。


あたしはそう思う。


「紅ちゃん、本当に無理して言わなくて良いからね?」


「あ…べ、別に…言っても良いよ……」


「え?」


「どうせ……今日が最初で最後だし…」


あたしは膝にかかってた毛布を端に寄せて前を向いて座りなおした。


「あたし……」


そしてあたしは暗闇に行こうと思った理由を二人に話した。





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