華麗に舞う龍の如く
「……」
「……」
「…だから…海に飛び込んだ……」
「……」
「……」
二人は黙ったまま。
想叶は下を向いてて、奏は二本目の煙草吸ってる。
「だけど…想叶があたしを助けたから…」
「……」
「……」
「…暗闇に行けなかった…」
あたしはとりあえず一通り話した。
話してる時、何度か涙が零れそうになったけど、頑張ってこらえた。
こんな所で泣いたら“何だこいつ”って思われるから…。
「紅ちゃん…」
「……」
「話してくれてありがとう…」
「…うん」
あたしがそう頷くと、
「なぁ、」
奏が煙草の煙を吐きながら、
「“暗闇に行く”ってのは、“死ぬ”って事だろ?」