華麗に舞う龍の如く


あたしの目をまっすぐ見てそう言った。


「……うん…」


「そんなに今まで地獄を見て来たんだったらよ、」


「……」


「俺らのとこに来いよ」


「……」


「あぁ。それ良いかもね。家…ないんでしょ?だったら俺らの所に来ればいいよ。そんな簡単に自分の命、なくしちゃ駄目だしね」


「……え…ちょ…っと…」


「もう二度と、“死にたい”なんて思わせねぇよ」


「紅ちゃんだったら大歓迎だよ」


想叶がそう言ってあたしに笑いかけてきた。


「え…だ…って…さっき…出会ったばかりだし……」


「そんなの関係ないよ」


「それに……あたし…」


突然、目から涙が零れおちた。


拭いても拭いても溢れだしてくる。


これは今まで流してきた悲しみの涙なんかじゃなくて…


嬉し涙…。


人生で初めて…嬉し涙を流した…


「何泣いてんだよ」


奏が少し笑いながらそう言った。





< 18 / 43 >

この作品をシェア

pagetop