華麗に舞う龍の如く
あたしの目をまっすぐ見てそう言った。
「……うん…」
「そんなに今まで地獄を見て来たんだったらよ、」
「……」
「俺らのとこに来いよ」
「……」
「あぁ。それ良いかもね。家…ないんでしょ?だったら俺らの所に来ればいいよ。そんな簡単に自分の命、なくしちゃ駄目だしね」
「……え…ちょ…っと…」
「もう二度と、“死にたい”なんて思わせねぇよ」
「紅ちゃんだったら大歓迎だよ」
想叶がそう言ってあたしに笑いかけてきた。
「え…だ…って…さっき…出会ったばかりだし……」
「そんなの関係ないよ」
「それに……あたし…」
突然、目から涙が零れおちた。
拭いても拭いても溢れだしてくる。
これは今まで流してきた悲しみの涙なんかじゃなくて…
嬉し涙…。
人生で初めて…嬉し涙を流した…
「何泣いてんだよ」
奏が少し笑いながらそう言った。