華麗に舞う龍の如く
「だ…って……初めて……」
「初めて?」
想叶が素っ頓狂な声をだした。
「こんなに……人に…優しくされたの……」
「俺らで良かったらいつでも優しくするよ」
そう言って想叶が優しく笑った。
それを見てまた涙がでた。
本当…嘘みたい…
こんなにあたしに優しくしてくれた人…
「あ~…紅ちゃん?」
「な…に…?」
「あの…さ…」
「う…ん?」
「俺らも…紅ちゃんに言わなきゃいけない事がある…」
「何…?」
あたしがそう問いかけると想叶は、言いにくそうな顔して、
「聞いても…驚かないでね?」
「う、ん…聞かないと分からないけど…」
「実は俺ら……」
想叶の口からその単語が出て来た時、
やっぱりあたしの思った通りだと思った。
さっきも思ったけど、服からしてそうだと思った。
だけど、いざ本人の口から聞くと驚きを隠せない。