メイドさんの恋愛事情
第1章
地味子の本職
あたしは望月妃菜(モチヅキヒナ)、16歳。
学校ではメガネにみつあみ、完璧なる地味子です。
「唯バイバイ!」
「妃菜バイバイ!」
あたしは親友の唯に手をふって、クラスを出た。
「晴れたあ〜っ」
さっきまで降ってた雨がやんで、あたしは傘を持ちながら歩き始めた。
午後4時。
あたしはいつもの電車に乗った。
スマホを見て、時間を確認。
うん、大丈夫。
「次は〜、秋葉原〜秋葉原〜」
車内アナウンスで、うとうとしてた頭を目覚めさせる。
秋葉原駅を降りて、徒歩3分。
あたしは大きなビルの二階、『メイド喫茶・ちょこぷりん』に入った。
お客さんとして?
のーのー。
更衣室に入って、メガネをとる。
髪を巻いて、制服を脱いで、このお店限定のメイド服を着る。
鏡で全身チェック。
うん、今日も大丈夫!
ドアの前に立って、スタンバイ。
「おかえりなさいませ、ご主人様!」
とびっきりの笑顔でお出迎え。
そう、あたしはメイドカフェ『ちょこぷりん』のナンバーワンメイドなんです♪