メイドさんの恋愛事情




「申し遅れましたが、私は西条と申します。長年川瀬ご一家様のお世話を担当しております。」




おじいさん、西条さんがそう言いながら靴をぬぐ。


い、家の中にエレベーターあるよ…。


しかも中庭まである…。




どんだけお金持ちなの!?




「まず1階をご案内いたしますね」




西条さんはそう言って、1階を案内してくれた。




ホームシアターがある大きいリビングに、料理しやすそうなキッチン。


サウナまであるお風呂。



中庭のまわりをまわっただけで足が痛い…。




「では次に妃菜様のお部屋をご案内します」




そう言って西条さんは階段を登った。


あたしの部屋、やっぱ狭いのかなあ…。


メイドだしね…。




「こちらになります」




西条さんがドアをあけた先には……。




「…………え?」




びっくりした。




あたしの部屋の2倍くらいある部屋。




全体が白とピンクでまとめられてて、すごくかわいい。




しっかりとしたシステムキッチンにトイレ、足をのばせるお風呂までついてる。




「2階にはトイレはありませんので、この部屋のトイレを使ってください。キッチン・お風呂は1階のものを使っていただいて構いませんが、使いにくかったらこちらをご使用ください」




< 21 / 89 >

この作品をシェア

pagetop