メイドさんの恋愛事情
「申し遅れましたが、私は西条と申します。長年川瀬ご一家様のお世話を担当しております。」
おじいさん、西条さんがそう言いながら靴をぬぐ。
い、家の中にエレベーターあるよ…。
しかも中庭まである…。
どんだけお金持ちなの!?
「まず1階をご案内いたしますね」
西条さんはそう言って、1階を案内してくれた。
ホームシアターがある大きいリビングに、料理しやすそうなキッチン。
サウナまであるお風呂。
中庭のまわりをまわっただけで足が痛い…。
「では次に妃菜様のお部屋をご案内します」
そう言って西条さんは階段を登った。
あたしの部屋、やっぱ狭いのかなあ…。
メイドだしね…。
「こちらになります」
西条さんがドアをあけた先には……。
「…………え?」
びっくりした。
あたしの部屋の2倍くらいある部屋。
全体が白とピンクでまとめられてて、すごくかわいい。
しっかりとしたシステムキッチンにトイレ、足をのばせるお風呂までついてる。
「2階にはトイレはありませんので、この部屋のトイレを使ってください。キッチン・お風呂は1階のものを使っていただいて構いませんが、使いにくかったらこちらをご使用ください」