メイドさんの恋愛事情
「いらっしゃいませ……、あ、先ほどの」
出迎えたのはさっきの店員さん。
あたしこの人嫌い…。
「先ほどとは違うお方ですね。先ほどの方とは違い、品がよくて上品なお方です」
あたしを見てそう笑う店員さん。
違うお方?
同一人物ですけど!
イライラする店員ねー!
「その方は彼女様ですか?先ほどの方は妹さんとか?全然似てま」
「店長呼べ」
ペラペラとしゃべる店員に、川瀬さんがピシャリと言う。
「…………はい?」
「早く店長呼べ。あとお前、クビだから。」
訳もわからず店員さんが店長を呼ぶと、めんどくさそうに店長が出てきた。
飲食店の店長なのに長髪に無精ひげ。
どーゆー神経してるの?(笑)
「何かご用ですかー?お客様」
「お前が店長?店長とは言えない格好してるんだな」
川瀬さんが店長をじろじろと見ながら言った。
明らかに不快そうな顔になる店長。
「ちょっと君、失礼じゃないっすか?僕店長っすよ。お客さんにそこまで言われる筋合いないですからあ〜」
ヘラヘラと笑う店長。
や、やめた方がいいって……。
その人会長の息子だよ?
「俺の顔見たことないの?」
川瀬さんがニヤリと笑った。
「お客さんイケメンっすからね〜、モデルとかっすか?」
まだヘラヘラと笑ってる店長。
いい加減気づかないと大変なことになりますよ〜。
あたしが手に汗を書き始めたころ、店員の方が焦り出した。