メイドさんの恋愛事情




「ただいまあ〜」


「妃菜ちゃんおかえりなさい!今日もアルバイトお疲れ様」




家に入って、あたしを出迎えてくれたのは美和ママ。


あたしの死んじゃったお母さんのお兄ちゃんのお嫁さんで、あたしをずっと育ててくれた人。


美和さんっていう名前だから、美和ママって呼ばせてもらってる。




「妃菜お姉ちゃん、おかえりなさい!」


「舞ちゃん、ありがと〜っ」




舞ちゃんは、あたしの5歳のいとこ。


すごくなついてくれて、かわいいんだ。




「ファミレスのバイトって疲れるだろう?お疲れさま」




そう声をかけてくれるのは信パパ。


お母さんのお兄ちゃんで、信太郎さんって名前だから信パパって呼ばせてもらってる。




ちなみに、家族にも友達にも、あたしがメイドカフェでアルバイトしてるって教えてない。


メイドカフェっていうと、反対されそうだからね…。




「でもな、何回も言うけど、バイトなんてしなくてもいいんだぞ?妃菜ちゃんのことはちゃんと育てるって決めたんだから」




信パパはそう言ってくれるけど、やっぱりあたしはアルバイトしたいって思う。


自分たちの本当の子どもじゃないあたしを、実の子どもみたいに育ててくれてる信パパと美和ママに恩返しをしたい、って気持ちが大きいから。


それに、あたしは将来弁護士になりたいって思ってる。


そのためには、大学に行かなきゃいけない。


大学にはお金がかかるし、まだ5歳の舞ちゃんにはこれからもっとお金がかかるはず。


だから、少しずつだけど大学のお金を貯めてるんだ。




「あたしはやりたくてバイトやってるんだよ♪だから、そんな信パパたちは気にしないで?バイト本当に楽しいんだから!」

「ならいいんだが…。本当に、無理だけはしちゃダメだからな。」




信パパはそう言って笑ってくれた。




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