メイドさんの恋愛事情
第2章
学校でのご主人様
「妃菜おはよーっ♪」
「お、はよ……」
いつも通りの月曜日の朝。
………のはずなんだけど!
あたしは朝からお疲れです。
「妃菜元気ないねー?どうかした?」
「……いや、別に?」
言えません。
絶対に言えません。
同級生と同居(?)してるなんて!
「川瀬冬夢」
「はいっ!?」
いきなり聞こえてきたご主人様の名前に、あたしはびくっと体を強ばらせた。
な、なななな何!?
ば、ばれたの!?
「だからさー、川瀬冬夢いるじゃん。あ、妃菜知ってる?」
何も気づいてない様子の唯に、あたしはホッと息をついた。
「し、知ってない、かな?」
「あの、イケメンって有名な川瀬冬夢。一昨日、めっちゃかわいい女の子とレストラン行ったらしいよ?」
……………え?
一昨日?
って、あたしが冬夢くんとレストラン行った日だよ……。
あたしが昼寝してる間に、女の子と食べに行ったんだね……。
あたしとなんかいっしょに食べても、おいしくないんだ…。
「髪長くてね、スタイルよくてね、すごいかわいかったんだって。なんか話聞いてると妃菜に似てるような………」
ふぅん………。
そんなかわいい子がいるならその子をメイドにすればよかったのに。
(最後の方聞いてない)
「あたしには……、関係ないから」
あたしはそう言うしかできなかった。
今日早起きして、豪華なお弁当作ったあたし、バカみたい。