メイドさんの恋愛事情
昼休み、あたしがお弁当を食べていると、急に廊下が騒がしくなった。
なによー、お弁当食べてる時ぐらい静かにできないわけ?
「冬夢ぅ、一昨日誰といたのぉ?」
「マイもレストラン行きたかったあ〜っ」
聞こえてきたのは、女の子の高い声。
そして、廊下を歩いていたのは冬夢くんだった。
「んー、今度もし時間があったら言ってあげてもいいよ?まあ僕、いつでも忙しいけどね」
なんて、初めて会ったときのような笑顔でしゃべる冬夢くん。
優しい声だけど、言ってることかなり上から目線だよ…?(笑)
「本当!?マイ楽しみにしてるーっ♪」
女の子は嬉しそうに笑って冬夢くんの腕に腕をからめた。
「マイだけずるーいっ!ミカもいきたい〜」
女の子の笑い声に包まれて、冬夢くん達は廊下を歩いて行った。
「川瀬はすごいね〜。」
唯がウインナーを口に入れながら言った。
「あんだけモテたらさ、女の子よりどりみどりじゃん。かわいい子いっぱいいるしねー」
確かに………ね。
冬夢くんの周りにはかわいい子がいっぱいいる。
でも、どうしてメイドにしたのはあたしなの?
メイドカフェで働いてたから?