メイドさんの恋愛事情
「…………!?」
駐車場の近くでキョロキョロしてたあたしは、誰かの手によってどこかに押し込まれた。
「な、に……!?」
状況が理解できない。
な、何なの……!?
訳がわからず混乱するあたしに、聞こえてきたのは最近やっと聞き慣れた声。
「…………お前、何仕事サボろうとしてんだよ」
ぶっきらぼうな、声。
あたしの隣にいたのは、冬夢くんだった。
「な、んで……?」
「宿泊研修だから仕事休みなんて言ってねぇだろうが。宿泊研修中もメイドの仕事してもらうからな?」
いつもの顔で笑う冬夢くんだけど、額に汗かいてるよ……
もしかして、あたしを………、探してくれてたの?
「……すみません。あと、ありがとうございます……」
よく見れば、あたしが今いるのは見覚えあるリムジン。
そして、運転手さんは……
「お久しぶりです、妃菜様」