メイドさんの恋愛事情






「西条さん!お久しぶりです!」




ここ2週間、海外の冬夢くんのお父さんとお母さんのところに行ってた西条さん。




今日は帰国してそのまま冬夢くんに呼びつけられたんだとか。




…………お疲れ様です。




やがてホテルに着き、あたしはお礼を言って唯と合流しようとした。




………………が。




「何してるの、妃菜。こっちだよ」




冬夢くんに腕をつかまれて、エレベーターの中に乗せられた。






――――――チン♪






かわいい音と共に開いたドアの先は………






「…………スイートルーム?」




「そ。俺はここに泊まるからお前もここに泊まれ」




……………ええええ!?




このスイートルームにですか!?




「俺はみんなで集団行動とか嫌いだから。特別に別行動許可してもらってんの♪」




さ、さすが社長――。




「で、妃菜は具合悪くて帰ったことにしてあるから。出張メイド、よろしくね?」




ニヤリ、と笑う冬夢くん。




あたし帰ったことにされたんですかぃっ!




まあ、グループの人と仲良くなれそうもなかったし……。




ちょっとだけ、感謝かも……。




なんてあたしが思ってることはつゆ知らず。




冬夢くんは、ベッドで熟睡してました。




最近、帰り遅かったから、疲れてるのかな……。




あたしがじーっと冬夢くんを見ていたら。






「あ、そうだ」




冬夢くんがむくっと起き上がったので、あたしは思わず尻餅をついちゃいました。




「もうすぐ妃菜のヘアメイクの人が来るから。じゃ、おやすみ〜」




へ、へあめいく?




何で、と聞こうとしても既に冬夢くんは夢の中。




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