メイドさんの恋愛事情
ホテルの近くは観光施設がたくさんある、って聞いてたけど本当にいっぱいある。
ショッピングモールや遊園地、動物園にスポーツ施設。
とりあえず何か食べたいなー、と思ってぶらぶらしていると、前から見覚えがある集団が歩いてきた。
あ、あの青木くん(前ページ参照)と愉快な仲間たち!(←単に名前覚えてないだけ)
今勉強中なはずなのに、なんで青木くん達がいるの!?
あたしはバッと回れ右をして、目を合わせないようにした。
あと……、5メートル。
だんだん距離が近づくにつれて、胸が苦しくなる。
ブスのくせに何サボってんだよ、って言われる。
やだ、こっちこないでよ……。
距離が近づいて、キュッと目を閉じたときだった。
「おい」
青木くんの声がして、肩をポンッと叩かれた。
ヤバい、気づかれた…!
「君かわいいね♪」
「……………はい?」
「君、名前なんて言うの?1人?いっしょに遊ばない?」
青木くんはニコニコしながらこっちを見てる。
「…………あたし?」
「そう、君!かわいい声だねっ」
いやいや、ついこの間あたしの声青木くん聞いたと思うんですけど。