メイドさんの恋愛事情
「ただいま」
誰もいない広いお家。
あたしの声が、広い玄関に響いた。
キッチンに行って、冷蔵庫を見る。
昨日の残りの煮物と、お味噌汁が少し残ってる。
今日はこれだけでいいかな…。
そう思って、お米を研ごうとした時だった。
ピンポーン
宅急便かな…?
あたしは急いで防犯用のカメラを見た。
画面にうつっているのは、綺麗な女の人。
誰……?
「ど、どちら様でしょうか」
「美香よ、美香!はやくあけてちょうだい」
美香……さん?
知らない人だけど、通していいのかな…?
西条さんに聞いてみよう、と連絡用の電話を取ったところで、今日は西条さんも会社に行っていることを思い出した。
「ちょっと〜?はやく開けて!あたし疲れてるんだから!」