メイドさんの恋愛事情




「は、はいっ、今あけます!」




イライラしてる美香さんの声に思わずそう言って鍵をあけてしまった。




ほ、本当に誰なの……!?




大きなスーツケースをガラガラと引きながら玄関までの道を歩く美香さんはまるで女優さんみたい。




美香さんが玄関に到着しそうなのを見て、あたしは玄関へと急いだ。




「はあ〜、疲れたあ」




美香さんがそう言いながら玄関に入ってきた。




生で見ると……、本当に女優さんみたい。




とゆうか、海外のセレブって感じ。




赤めな茶髪を綺麗に巻いて、白いラフなブラウスに黒いスキニーデニム。

シンプルな服装なのに、すごくセレブに見えちゃうんだから、すごいと思う。




「あら?あなた、初めて見る顔ね。」




美香さんがちらりとあたしを見て、そう言った。




「冬夢の新しい彼女かしら?まったくあの子はだらしがないんだから…」




か、彼女!?


この人、冬夢くんを知ってる……。


誰……?




「いや、違いま……」




「まあ、冬夢もそろそろ大人になってほしいんだけどねー。だいたいあの子はいつまで経ってもお子ちゃまで………」




あたしの背中に汗がたらっと流れた。




この言い方………。




もしかして…………。




「冬夢くんの、お母様ですか?」




「えぇ、そうよ」





お母様―――――!?




てことは……………




川瀬グループの会長夫人!!




< 63 / 89 >

この作品をシェア

pagetop