メイドさんの恋愛事情
「妃、妃菜ちゃん…!?何そのOLみたいな格好!」
「へ、変でした…?」
うぅ、OLじゃ駄目なのかあ…。
でもあたし、スーツなんて持ってないし…。
「もっとかわいい服、着ていいのよ?」
そう言いながら、あたしのクローゼットを探る美香さん。
「ほら、かわいいのあるじゃない♪……あ、でも傷んでるわね…」
美香さんはあたしお気に入りのワンピースを見てため息をついた。
確かにいっぱい着てるから傷んでるけど…。
それぐらいしかかわいいの持ってなくて…。
「……まぁいいわ、妃菜ちゃんこれに着替えて!」
「は、はいっ」
あたしは美香さんに渡されたショートパンツに着替えた。
そしてジャケットを脱ぐだけで……
「ほら、かわいくなった♪」
ジャケットの下に着ていたトップスがレース素材だったから、黒いショートパンツと合ってかわいくなってる。
「あとは髪の毛とメガネね…」
美香さんはうーん、と考えこんだ。
髪は学校から帰ってきたときのまんまだからみつあみ。
メガネはいつものやつなんだけど…。
「……行きましょう!」
「…………え!?」
美香さんはあたしの腕を掴んでどんどんと階段を降りた。
「み、美香さん…?」
そしてサンダルをはく美香さんにつられて、あたしもサンダルをはく。
「さあ、乗って!」
と、黒塗りのベンツに押し込まれた。
「うち専属の眼科に行ってちょうだい」