メイドさんの恋愛事情
「はい、朝ごはん」
冬夢くんが運んできてくれたのは、クロワッサンとお味噌汁とスクランブルエッグ。
…………え、お味噌汁?
「味噌汁は元気が出るから!やっぱ日本の朝は味噌汁だろ」
あたしの気持ちを見透かしたように、冬夢くんがそう言った。
このメニューに味噌汁はびっくりだけど…、
「いただきます」
味噌汁がおいしいから、そんなことは気にしないことにしよう。
「ねえ妃菜、今日は何がしたい?」
冬夢くんが首をかしげて聞く。
あたしは少し考えてから、
「したいことなんてないので、家にいます」
と言った。
すると、冬夢くんは呆れたような顔をした。
「は?したいことなんてない?なんか一つぐらいあるだろ?例えばさ、ほら、遊園地でジェットコースターに乗るとか、遊園地でコーヒーカップに乗るとか!」
「……………遊園地、行きたいんですか?」