― ONE LOVE ―
【千春の心】
…よしっ!
『ツトムの気持ちは分かった。…まっ、私にとったら、ツトムをテツオくんに奪われた感じで、悲しいけど…。…仲良くしなよ!』
――――――‐‐‐
千春は、ここ数ヵ月の心のモヤモヤ、ツトムの気持ち、そして自分の気持ちに、ある程度の答えと、ある程度の決着がついた事で、とてもスッキリしていた。
それから三人は、空港内にあるCafeに入り、ツトムと千春の遠距離恋愛の話や、ツトムとテツオの出会い話などを、”異様な”関係の中、楽しく話していた。
「そいで千春は今日泊まって帰ると?」
『ん~、泊まってくつもりだったんだけど…。展開が展開なだけに…、泊まる必要がなくなっちゃった!ねっ!』
「あっ、そうか。…ごめん。」
『バ~カ…。大丈夫!気にしないで、気持ちはすでに、次の恋へと走り始めたから(笑)!』
「…千春に何かあったら、何でも相談に乗るけんさ!気にせず連絡せんね!」
【千春の心】
…フゥー。ありがと…。てか、テツオくんのどこにツトムは惹かれたんだろう…。そのムキムキの筋肉??…ツトムは、その太い腕に抱かれるわけだよね……。いやいや、ツトムが抱く方??ん~…、なんか複雑だわぁ…。
『それじゃ、そろそろ行くね!空席あるか確認しなきゃだし!』
「おう、またな!気をつけんばよ!」
『うん、またね!』
千春の表情は明るく、ツトムに会いに来た事を後悔はしていなかった。
――――――‐‐‐
運良く空席があり、夕方発の便で帰る事になった。
【千春の心】
…あぁ、チケット取れて良かった。ママに今日帰る事連絡しとかなきゃ。
――――――‐‐‐―
千春はいつもは読みもしないような週刊雑誌を買い、待ち合いロビーに向かい、出発まで暇を潰す事にした。