― ONE LOVE ―

―――――――‐‐

洋人の事を思い出しながら、千春は少しだけ寂しくなった。

そう―


ナンパされたあの日は、ツトムと別れた日でもあるからだ。


洋人は、会場内にいる千春の事に、気づくはずもなく、収まらない歓声に、応えようと必死だった。


――――――‐‐



【洋人の心】

こういうアンコールの時って、どんな歌を歌えばいいのかな…??


…激しい歌?

…それとも、バラードとか…?



――――――‐‐


動揺が極限状態の洋人を見て、とっさにシンが声をかけた。


――――‐‐―


「洋人くん!…もう一度…

…¨ONE LOVE¨…しようよ!」




【洋人の心】

…だよな…!

やっぱ自分達の最高の歌を、最後に歌わないとな!

…よし!!

――――――‐‐


洋人とシン、そしてアキの三人は、それにうなづいた。


―――――‐


『では!皆さん!アンコールソング歌いたいと思います!…でも、俺達にはあんまし…持ち歌がないんで…(笑)』




ハハハッ ヒューヒュー!




『もう一度…

¨ONE LOVE¨…を歌います!!』





ヒューワーイェーイ!!




――――――‐‐


一気に会場全体に、静けさが戻り、モンキードロップスの¨ONE LOVE¨に、観客は酔いしれた。

< 103 / 119 >

この作品をシェア

pagetop