― ONE LOVE ―

千春は、少し肩を落としながら席を立ち、トイレへ。

一方、洋人は、ライヴの話に夢中―


お互いに、同じファミレスにいる事など、知るよしもない。


千春は、仲の良さそうなカップルのテーブルを抜け、洋人達のいるテーブルの横を通る―



――――――‐‐



【千春の心】

…まっ、あの人から電話なんてないだろうなぁ…(汗)

…結構、歌ってる時の姿、カッコよかったなぁ…(照)


…顔もカワイイし…(照)



ふぅ…考えても始まんない!
まっ、しょうがない忘れよ忘れよ…(笑)




―――――‐‐


そして、ある話声が、千春の耳に聞こえてきた。


――――――‐‐



「で、洋人!その失恋の相手の事は、もう吹っ切れたのか?」




「…僕も気になってたんだ!…どうなの、洋人くん?」



―――――‐‐


アキとシンは、洋人の新曲に込めた思いは聞いていたものの、洋人の失恋相手への気持ちは知らなかった。

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