― ONE LOVE ―
…祖母は、そのまま息を引き取った。




洋人が間に合わなかったのは言うまでもない。

――――‐‐―‐‐



――――‐‐―‐‐
―― 現在


「だけん、ばぁちゃんの事は大切にせんば!…毎日ばぁちゃんの事ば、思い出してやらんね…!」



『うん…。』


【洋人の心】
…ばぁちゃんが死んだ二年前のあの日、俺は”大丈夫やろ”と軽い気持ちで……。マンガ読んでる途中だったし、そのマンガを読み終わった後、病院に向かったんだ……。間に合わなかった……。
でも、ばぁちゃんの事は大好きだったんだよ…。…まさかあんな事になるなんて……。

…そこまで俺の事考えてくれてたなんて……


ばぁちゃんごめんね…



洋人は、母に分からないように、流れた涙を慌てて拭いた。






「泣かんと!…別にあんたのせいでばぁちゃんが死んだわけやなかとやけん…。…これからはばぁちゃんの分まで、精一杯生きていかんね!」




【洋人の心】
…そうだね。ばぁちゃんの分まで精一杯生きよう!

…てか、俺が泣いてるのバレバレだったのね…。


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