― ONE LOVE ―
洋人は、今まで

”自分の人生だから
自分のために生きていく”

そう、考えていた。


自分勝手に家を出た事も…、すべては自分のために、と選んだ道だった。


しかし、田舎を離れ、大都会という大勢の〈他人〉に囲まれた中で暮らす事で、母のお節介、父の優しさ、祖母の思い、その大切さに改めて気づかされた。


”自分は誰かに支えられて生きていた”

”自分の人生は、自分一人のものではなかった”


洋人は、誰かのために生きる事によって、”生まれる心”を知った。



――――‐‐―‐
―――‐―



「ほら~!洋人!夕方の飛行機に乗り遅れるばい!」


『はいは~い!』


「忘れもんはなかね?」


『大丈夫やろ!もしあったら、後で送っとって!』


「はいはい。着払いで送っちゃる(笑)」。


『やらしか事言わんでや(笑)!』


「ふふっ(笑)。…向こうでは、事故やなんやには、気をつけんば!何があるかわからんとやけん!」


「分かっとるさ!」


【洋人の心】
…あぁ、何か帰りたくないなぁ…。でも、自分で決めた道だし、頑張らなきゃな!…ばぁちゃんや家族のためにも…!



―――‐―‐‐
――――




洋人は、ちょっとした心の変化、そして新たな気持ちを胸に、空港に向かった。

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