― ONE LOVE ―

今までに感じた事のない、心の表情に戸惑いながら、洋人は座席に座った。



―――――‐‐


【洋人の心】
…あの女の人が…今…俺の目の前に…。最初は痴女とか変な事考えてしまってたけど…。…ほんと…タイプだぁ。これって、いわゆる…一目惚れ?!ってやつか……?!




【千春の心】
…でも、ツトムがゲイだったなんて…ツトムには悪いけど、誰にも言えないなぁ(笑)…。フフッ(笑)。




【洋人の心】
……あぁ、気になる‥気になる…。……どうしよう…。…あんな子が彼女になってくれたらなぁ…何も言う事ないのにぃ……。





―――――‐―‐‐




…いっそ、彼女にしちゃえば?


…でも、どうやって?


…まずは、友達にならなきゃ…


…でも、どうやって?


……んん……


…話しかけるんだ!!


…えぇっ?!


…大の人見知りの…この俺が?!…


…それしかないだろう?!

…無理だ…そんな勇気は、俺の行動能力の中に含まれてない…


…でも、それ以外に何か良い方法あんの?!…


…んん…例えば、痴漢に襲われてるとこ助ける…とか…


…ない!ない!ない!


…例えば、その子が携帯電話なくして、後で届けるとか…


…ドラマの見すぎやろ?!…もっと現実的に考えなきゃ!!


…やっぱり…ナンパ…かな…(照)。




……………。
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