― ONE LOVE ―
千春は、自分なりに、心の片隅に整理していたツトムの事を思い出し、急に悲しくなってきた。
『…ど…どうしたんですか…?』
【洋人の心】
…おいおい……。なんか……俺……まずい事でも聞いちゃったかな(汗)…?!
『…気にしないで下さい…。』
千春の目には、ツトムと別れた時に、立ち止まらせていたはずの涙が
今になって…
浮かんで…
溢れた…
【洋人の心】
…うそ?!…マジかよ?!
…なんでなんで?!
なんでたろう?なんでだろう?何故だ?何でだろう♪
って……歌ってる場合かよ……(汗)
『千春さん、…大丈夫…ですか…?』
『あなたには………関係ない事ですから……』
『いや…でも…』
『…大丈夫です!!……お母さんが迎えに来てるんで、…もう行きます!』
『……あ……えっ?!』
【洋人の心】
………な……何で?!
もちろん洋人には、千春の涙の訳が分かるはずもなく、ただ遠くなっていく、動揺した千春の後ろ姿を見ているしかなかった。